材料の種類

【合成樹脂とは】
天然樹脂に対して、人為的に合成された樹脂状のものを当初、合成樹脂と言ったが 現在ではプラスチックと同じ意味に使われます。 大別して熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に分かれます。

1) 熱硬化性樹脂

 加熱すると、軟化して加工出来るようになるが、そのまま加熱を続けると化学反応を起こして硬化する樹脂を「熱硬化性樹脂」といいます。
熱硬化性樹脂は比較的低分子の物質が加熱により高分子の3次元架橋構造 (網状構造)となるもので、一度硬化したあとは加熱しても再び軟化することがありません。また、火をつけると燃えにくい性質も持ちます。

■熱硬化性樹脂の種類


名称 (略号) 樹脂の特徴
フェノール樹脂 (PF) フェノールとホルマリン(ホルムアルデヒド)触媒存在下で縮合した熱硬化性樹脂
ノボラックタイプ・・・ 酸性で反応させたもの、非自硬化性、アンモニア発生
レゾールタイプ・・・アルカリ性で反応させたもの、自硬化性、NA材
黒色・茶色
【特長】 電気絶縁性、強度、耐熱性が良好
【用途】 電気機器、機械部品、自動車部品




ユリア樹脂 (UF)

メラミン樹脂 (MF)
アミノ基をもった化合物にホルマリンを縮合させてつくった熱硬化性樹脂。
【特長】 着色自由、電気特性優れる、安価
【用途】 キャップ、ボタン、つまみ

アミノ基をもった化合物にホルマリンを縮合させてつくった熱硬化性樹脂。
【特長】 着色自由、ユリヤより耐熱性、耐水性良好
【用途】 食器、化粧版、電気部品
不飽和ポリエステル樹脂
(UP)
不飽和二塩基酸にエチレングリコールなどの多価アルコールを加熱縮重合して架橋剤を加えて作った熱硬化性樹脂
※ 乾式 ・・・ ペレット状
※ 湿式 ・・・ シート状・ブロック状
【特長】 機械的強度が高い、耐熱性、電気特性良好
【用途】 住宅部品、トレー、ブレーカー
乾式 湿式
エポキシ樹脂 (EP) エポキシ基をもった有機化合物とアミン酸、多価アルコールによって重合硬化
※ 粉状 ・・・ トランスファー・射出成形
※ 液状 ・・・ 常温硬化型・加熱硬化型・紫外線UV硬化型
【特長】 接着性、電気絶縁性、耐薬品性良好
【用途】 接着材、半導体封止材


■主要取り扱いメーカー
パナソニック http://industrial.panasonic.com/jp/electronic-materials
オタライト http://www.otalite.co.jp/
日本合成化工 http://www.nihon-gosei.co.jp/


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2) 熱可塑性樹脂

加熱すると、軟化して加工できるようになり冷やすと固化する樹脂を「熱可塑性樹脂」といいます。 熱可塑性樹脂は線状構造である為、加熱すると軟化し、冷却すると固化し、これを繰り返す 事ができます。従って熱硬化性と違い不良成形品の再利用化が出来ます。熱可塑性樹脂としては、汎用プラスチック、エンジニアリングプラスチック(エンプラ)等に大別されます。 エンプラは耐熱温度が100℃以上のものが多く、150℃以下は汎用エンプラ、150℃以上は スーパーエンプラと呼ばれています。

■熱可塑性樹脂 の種類



名称 (略号) 樹脂の特徴
ポリアミド(PA) アミド基でアルキレン基が結合したものが多数集まって出来た線状合成高分子物質。 一般的に摩擦係数が小さく自己潤滑性が有り、耐摩耗性に優れ、耐衝撃性大、耐薬品性 耐溶剤性が良く、反面吸水性大で寸法安定性が悪い。ナイロン6、ナイロン66等。
【特長】 強じん、耐油性、耐磨耗性良好
【用途】 自動車部品、機械部品
ポリアセタール(POM) ホルムアルデヒトを主原料として得られる重合体である。耐摩擦摩耗性及び耐疲労性については 抜群の性能を誇る。吸湿性は少ないが成形機内で長時間滞留し高湿にさらされると熱分解が 起こり、ホルマリン臭を発生する。
【特長】 クリープ特性、耐溶剤性良好
【用途】 歯車、軸受け、自動車部品
ポリカーボネイト(PC) ビスフェノールAとホスゲンの縮合重合によって造られる樹脂で強靭で透明性、耐熱性、難燃性 寸法安定性に優れ、特に衝撃強度は熱可塑性樹脂でも最高に近い値を示す。 成形前には乾燥を要する。
【特長】 強じん、電気的特性、耐熱、耐寒、耐候性良好
【用途】 電気部品、機械部品
ポリブチレンテレフタレート
(PBT)
テレフタル酸とブタンジオルから縮合重合で製造された新しい熱可塑性ポリエステル樹脂。 高い熱変形温度、耐摩耗性など良好。
【特長】 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性良好
【用途】 自動車部品、端子板
ポリエチレンテレフタレート
(PET)
テレフタル酸とエチレングリコールとの重縮合反応で得られる熱可塑性ポリエステル樹脂。 ボトルは清涼飲料水用として使用されている。
【特長】 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性良好
【用途】 ペットボトル、繊維製品
ポリフェニレンスルフィド
(PPS)
ポリフェニレンサルファイドともいい耐熱性、耐摩耗性に優れ強度もある。
【特長】 耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性良好
【用途】 自動車部品、カメラ部品
ポリエーテルスルホン
(PES)
ポリエーテルスルホンはポリスルホンより耐熱性が高く、スーパーエンプラに属する。耐熱性は熱可塑性樹脂の中では最高クラスに属し、また耐衝撃性も大きい。耐薬品性も良く、無毒である。また耐水性もすぐれ難燃性である。
【特長】 高温強度保持、難燃性、成形良好
【用途】 医療器具、ドライヤーカバー、自動変速ギア
ポリフェニレンエーテル
(PPE)
ポリフェニレンエーテルは耐水、耐熱性にすぐれるが耐候性に若干の難点をもち、耐熱性が高いため成形が困難であった。難燃性であるのでポリスチレンとブレンドして変性PPEとしたところ、加工温度も下がり耐水性あり適切な耐衝撃性もあり、エンプラの中心的材料となった。ブレンドはその成分割合で耐熱性や強度を変化させる事が出来る。
【特長】 寸法制度、難燃性、熱水・酸・アルカリ耐性良好
【用途】 加湿器、通信機器、自動車部品
ポリスルホン(PSF) ポリスルホンは若干着色しているが、透明で耐熱水性と無毒のため食品、医療機器に用いられる。耐熱性は高く難燃で耐薬品性、低温特性も良好で冷凍トレイ、電子レンジトレイにも用いられる。
【特長】 透明、耐熱性、無毒、収縮性良好
【用途】 食品加工機、歯科用具、プリント基板
液晶ポリマー
(LCP)
液晶ポリマーは、耐熱性にすぐれハンダ耐熱性はもちろん長期にわかり高い耐熱性が要求される部品への応用が進んでおります。また強度・弾性が高いものから流動性にすぐれ薄肉成形性に適し使用されるものまで幅広く用いられる。
【特長】 高強度、高弾性、高耐熱良好
【用途】 リレー部品、プリント基板、油圧機シールパッキン


■主要取り扱いメーカー

ユニチカ http://www.unitika.co.jp/products/plmr-bis/plastics.html

 

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3) 再生樹脂 〜 エコ・リサイクル 〜

〜 人と地球にやさしい再生樹脂 〜

昨今の地球環境問題で再生材料(エコ・リサイクル)をご提案し、コバヤシ産業は地球環境の保全に貢献いたします。

そのまま廃棄すればゴミになってしまいますが、その種類を分別しもう一度原料として再利用する樹脂を「再生樹脂」といいます。再生樹脂にはメーカーからの規格外材(オフグレード)と呼ばれるグレードやカラーの切り替え時に発生するロス材や成形不良品・製品ロスなどを樹脂ごとに分別した物を粉砕し再利用するものや製品として使用されたプラスチックを粉砕した後、液状にし再度原料として再利用する方法などがあります。グリーン購入方・エコマーク・ゼロエミッションと年々再生樹脂の各企業の取り組みが注目されております。


< 再資源化 >
環境にやさしい新しいものづくりを考えませんか!

用途
自動車 建材 電気 雑貨品

 

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